私は大学卒業後間もなく虎の門病院レジデントとして奉職し、33年間同病院に勤続してまいりました。当初4年間は各診療科を研修し広く医療を学びましたが、5年目以降は内分泌外科に所属し、主として乳腺疾患(乳癌)・甲状腺疾患・副甲状腺疾患・副腎疾患などの内分泌臓器疾患の外科診療に従事してきました。
乳癌の患者さんは少なくとも10年間、甲状腺癌の患者さんは生涯にわたって定期検診や投薬が必要になります。同一医療施設において長年勤務しておりましたので、この間に診療した患者さんの数も少なくありません。私の定年を間近に控え、こうした長期間の診療を必要とする患者さんの術後のケアおよび診療を、今後も続けていく必要性を痛感し、虎の門病院から近い距離にあるプレスセンタービルの中に診療所を開設いたしました。
また、我が国においても乳癌の罹患率が年々増加しており、早期発見の必要性が叫ばれていますが、発見が遅れたために乳癌で死亡する患者さんも後を絶ちません。乳癌で死亡する患者さんを減らそうというピンクリボン運動の気運が世界的に高まっておりますが、私もこの運動の趣旨に賛同し、乳癌検診や啓蒙活動を行うことにより乳癌の早期発見に貢献したいと考えております。
乳癌・甲状腺癌患者さんの術後のきめ細かい心身のケアを充実させ、あわせて乳癌の早期発見に貢献していきたいと考えます。
院長 中澤英樹